2020年7月29日水曜日

「細菌」と「ウイルス」の違い

細菌は目で見ることはできない小さな生物です。ひとつの細胞しかないので単細胞生物と
呼ばれます。細菌は栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができます。温度や水分など条件が整えば、短時間で天文学的な数になります。
人の体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っています。納豆菌や乳酸菌といった人の生活に有用な細菌も存在します。一方で、人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいます。大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られています。抗菌薬(抗生剤、抗生物質)は細菌を退治するための薬です。
ウイルスは細菌の50分の1程度の大きさで、とても小さく、自分で細胞を持ちません。細胞がないので、他の細胞に入り込んで、生きていきます。人の体にウイルスが侵入すると、人の細胞の中に入って自分のコピーを作らせます。その細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、他の細胞に入りこみます。このように寄生しながら、ウイルスは増殖していきます。人に病気を起こすことがあるウイルスとして、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、ノロウイルスなどがあります。抗ウイルス薬は開発が難しく、まだ少数です。
細菌やウイルスが引き起こす病気に対して、ワクチンを接種し、免疫をつけたり、強くしたりすることで、病気にかかることを予防したり、人に感染させてしまうことで社会に病気がまん延してしまうのを防ぐことができます。また、病気にかかったとしても、重い症状になることを防げる場合があります。



日々の“手洗い”で感染を防ごう

人が感染する病原体(細菌やウイルス)の多くは、まずは手に付着します。その手で鼻や口などに触れると、その病原体が体内に侵入し、感染が成立します。また、病原体のついた手でさまざまなものに触れ、周りの人がそれらに触れることで、感染が拡がっていきます。手を洗うことで、手についた病原体が体に侵入するのを防ぐだけでなく、周囲に感染を拡げることを防ぐこともできるのです。手洗いは、日々の生活の中でできる、きわめて有効な感染対策です。

図は農林水産省のHPより抜粋https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/bacteria.html
詳しくはこちら AMR臨床リファレンスセンター http://amr.ncgm.go.jp/general/1-1-2.html
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html


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