2021年6月29日火曜日

「湿疹」と「かぶれ」の違い

 「湿疹」は、外的、内的刺激に対する主に表皮(皮膚の最も外にある皮)を炎症の場とし、かゆみ、ヒリヒリ感を伴う可逆性の炎症反応です(写真右)。紅斑、ぶつぶつ、水ぶくれなどが混ざってジクジクした皮膚から慢性化すると、ごわごわした皮膚に至る皮疹から成り立つ皮膚疾患の総称のことです。

「かぶれ」とは、「接触皮膚炎」のことで、外来性の刺激物質などが皮膚に接触することによって、発症する湿疹性の炎症反応をいいます。大きく刺激性とアレルギー性に分類されます。正常な皮膚では、角層がバリアの役割を果たしており、分子量1,000以上の物質が角層を通過することはないと考えられています。しかし、現在の生活環境においては角層の障害がおこる機会が多くなっているため、石鹸、強酸性、強アルカリ性化学物質などの皮膚を刺激する物質が、角層の障害部位から侵入し、角化細胞を刺激、サイトカイン、ケモカインという炎症を引き起こす蛋白の産生を誘導して、炎症が起こると考えられています。日常生活の中で皮膚は化学物質と接触する頻度が高く、日用品として使用される製品がかぶれを誘発することもあり、それらの製品の種類は幅広いです。原因となるアレルゲン、接触刺激因子を見つけ出し除去することが重要になります。

参考URL:(公益社団法人 日本皮膚科学会)https://www.dermatol.or.jp/qa/qa4/q02.html

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