2024年1月5日金曜日

今日はなんの日~医療・健康編 〈12月~2月〉

 12月~2月の医療や健康にまつわる記念日をピックアップしてご紹介します。

12月22日「ジェネリック医薬品の日」…1997年のこの日、厚生労働省がジェネリック医薬品承認のための科学的基準を定めました。これに基づき、NPO法人ジェネリック医薬品協議会が2019年に制定しました。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品(新薬)の再審査が終了し、その製品の特許が切れた後に製造・販売される医薬品です。「先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含んでおり、同等の効能や効果が得られる」と認められた医薬品です。

1月23日「花粉対策の日」…春の花粉症対策は、スギ花粉飛散が多くなる1月・2月・3月がポイントになるため、覚えやすい1月23日を花粉対策の日として、花粉症問題対策事業者協議会が2015年に制定しました。同協議会は「花粉しっかり対策3ヶ条」として「花粉情報をしっかり入手!-症状が出る前の対策が大事-」「花粉をしっかり防御!-屋外ではマスク、メガネ、室内では空気清浄機やクリーナーが必須アイテム-」「症状に合った治療をしっかり継続!-症状がないときも服薬を-」を掲げています。

2月22日「頭痛の日」…日本頭痛協会が制定し、ポスター等で啓発活動を行っています。当日は、全国のいくつかの病院で緑色にライトアップすることが計画されています。緑色は頭痛治療に良いとされている色で、頭痛疾患撲滅に向けた象徴カラーです。

参考URL:(NPO法人 ジェネリック医薬品協議会)http://www.ge-da.org/
(製薬協)https://www.jpma.or.jp/about_medicine/guide/med_qa/q40.html
(花粉症問題対策事業者協議会)https://www.kafunbusiness.org/step
(日本頭痛協会)https://www.zutsuu-kyoukai.jp/

冷感湿布の有効成分は、サリチル酸メチル、メントール、ハッカ油などの冷感成分が配合されています。主に急性疾患で、赤く腫れ、熱を持ち、痛みがある状態の時に用います。特に打撲や捻挫、肉離れなどの、急激な炎症が起きている、最初の5~7日間に使うのが有効です。

温感湿布の有効成分は、皮膚に温感を与えるトウガラシエキス、合成トウガラシのノニル酸ワニリルアミド及びニコチン酸エステルなどが含まれています。これらの成分は局所の血管を拡げ、患部の血流増加により腰痛、肩こりを改善することに期待できます。慢性的な腰痛、肩こりなど患部が硬く、冷たい症状でしかも動かすと痛みを伴う状態に使うのが有効です。ただ注意することは、温感湿布は皮膚刺激が強くかぶれやすいので、お風呂に入る30分~1時間前にはがしておくことが必要です。患部を冷やすと気持ちが良い人は冷感タイプの湿布、患部を温めると気持ちが良く、風呂に入ると患部の痛みが和らぐ人は温感タイプの湿布と使い分けると良いでしょう。

現在多く使用されている湿布薬は、第2世代の湿布薬といわれているインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症鎮痛薬を含んだものが主流になっています。これらは湿布剤に含まれる水分の蒸発による熱の喪失により冷感湿布として用いられています。

湿布にかぶれる人は、かぶれ止めの方法の一つとして、皮膚にガーゼを一枚おいてその上から湿布してください。湿布を換える時には、ぬるま湯でやさしく皮膚を洗浄してからよく乾かし30分~1時間位、肌を休めてあげてください。自分の出した汗や汚れでかぶれることがあるからです。

引用:(宮崎県薬剤師会)http://www.miyayaku.or.jp/modules/pico1/index.php/content0143.html

2023年10月2日月曜日

知っておきたい「医薬品副作用被害救済制度」の話

医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。

健康被害を受けた本人(または遺族)等が、必要な書類を医薬品医療機器総合機構(以下PMDA)に送付し、医療費等の給付の請求を行います。PMDAは、請求があった健康被害について、その健康被害が医薬品等の副作用によるものかどうか、医薬品等が適正に使用されたかどうか等の医学・薬学的な判定の申し出を厚生労働大臣に行い、厚生労働大臣はPMDAからの判定の申し出に応じ、薬事・食品衛生審議会(副作用・感染等被害判定部会)に意見を聴き判定します。PMDAはその医学・薬学的判定に基づき、給付の支給の可否を決定します。この決定に対して不服がある者は、支給の決定があったことを知った日の翌日から起算して三月以内に厚生労働大臣に対して審査を申し立てることができます。なお給付に必要な費用は、医薬品等の製造販売業者等からの拠出金で賄われています。

支給・不支給決定の状況については、令和3年度の決定件数は1450件でした。その内訳は、支給決定件数が1213件(83.7%)、不支給決定件数が229件(15.8%)、取り下げ件数が8件(0.6%)でした。また、総支給額は約24億円でした。

暮らしに欠かせないお薬だから、いざというときのために、ぜひ知っておいてくださいね。

引用:(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/



臨床研究のは・て・な -「有害事象」とは-

臨床試験に参加経験がおありの方なら、試験の説明を受けられる際に資料等で目にされたことがあるのではないでしょうか。

しかし「有害事象」と聞くと、「薬との関係がはっきりした害」を連想される人が多いようです。

「有害事象」とは、臨床試験などで使われる専門用語で、医薬品が投与された患者または被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとをいいます。必ずしも当該医薬品の投与との関連性が明らかなもののみを示すものではありません。

つまり「有害事象」とは、医薬品が投与された際に起こる、あらゆる好ましくない、あるいは意図しない徴侯(臨床検査値の異常を含む)、症状、または病気のことであり、当該医薬品との関連性の有無は問われません。

これに対して、一般によく認知されている「副作用」とは、お薬を服用した際に、治療の効果のほかに生じてしまう望ましくない作用のことです。「花粉症の薬を飲んだら、鼻水は止まったけど眠くなった」「解熱剤を飲んだら熱は下がったけど、発疹が出てしまった」。このような症状を「副作用」といいます。「有害事象」の中で、当該医薬品によるものと言えます。また、ワクチンの場合には「副反応」の言葉が用いられることもあります。

引用:(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)https://www.pmda.go.jp/files/000156127.pdf (政府広報オンライン)https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201911/1.html(医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト)https://ez2understand.ifi.u-tokyo.ac.jp/terms/terms_12/

今日はなんの日~医療・健康編 〈9月~11月〉

 1年365日存在するさまざまな記念日。医療や健康にまつわる日もたくさんあります。9月~11月の記念日をピックアップしてご紹介します。

9月3日「秋の睡眠の日」…「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから。睡眠に関する正しい知識の普及・啓発活動を推進する睡眠健康推進機構が制定。臨床試験ボランティアマッチングポータル( https://crvmp.net/index.shtml )の会員限定ページ「試してみよう あなたの健康チェック」では「不眠度チェック」ができます。ぜひお試しください。

・10月13日「麻酔の日」…1804年のこの日、華岡青洲が世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術に成功しました。これを記念して日本麻酔科学会が制定。

・11月11日「介護の日」…2008年に厚生労働省が発表。この年に行われた日にちと名称に対する意見募集で最も支持の多かった日。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた語呂合わせから。「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」。

参考URL:(睡眠健康推進機構)https://www.jfnm.or.jp/nemurin/(日本麻酔科学会)https://anesth.or.jp/users/news/detail/5c6e3820-ed20-4f5b-9f46-05cfa50cc6ad(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0728-2.html

2023年7月4日火曜日

「2類」と「5類」の違い

感染症法では、感染症について感染力や感染した場合の重篤性などを総合的に勘案し1~5類等に分類し、感染拡大を防止するために行政が講ずることができる対策を定めています。新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。

これに伴い、法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、自主的な取組をベースとした対応に変わりました。医療体制においては、限られた医療機関でのみ受診可能でしたが、幅広い医療機関で受診可能になります。入院・外来医療費の自己負担分は公費で支援されていましたが、健康保険を適用、1割~3割は自己負担が基本となります。ただし入院医療費や治療薬の費用については、一定期間は公費による支援が継続されます。

患者や濃厚接触者に対して、感染症法に基づく外出自粛は求められなくなり、外出を控えるかどうかは個人の判断に委ねられるとともに、感染対策も個人・事業者の判断が基本となりますが、マスク着用については、医療機関・高齢者施設などを訪問する時や混雑した電車・バスに乗車する時は推奨されています。ワクチン接種は公費負担で令和6年3月31日まで受けられます。

引用:(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html

グレープフルーツジュースを避けるべきくすりって?

Q グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか?

A 一般的に、飲みぐすりの多くは、腸管で吸収され、体内で作用し、肝臓などの薬物代謝酵素で薬効のない物質に変化したり、腎臓から体外に尿と共に排出されます。さらにくすりによっては、最初に腸管で吸収されるときにも、腸管に存在する薬物代謝酵素の働きで代謝されます。
グレープフルーツジュースには、この腸管での代謝酵素の働きを抑える物質が含まれているため、腸管で代謝される割合が減り、その結果体内に吸収される量が通常より増えてしまいます。このため、効果が強く出たり、副作用が現れやすくなると考えられています。さらにこの作用はグレープフルーツジュースを飲んだ日だけではなく、2~3日続く場合もあるといわれていますので注意が必要です。この酵素の働きを抑える物質は、グレープフルーツの果肉の部分にも含まれているようです。従って、ジュースだけではなく、果肉を食べる場合にも注意が必要といわれています。
免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、高脂血症治療剤(シンバスタチンなど)、降圧剤(フェ
ロジピンなど)など、一部の医薬品は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり、副作用が現れやすくなるおそれのあることが知られています。グレープフルーツジュースを避けるべき医薬品は多数ありますので、新たなお薬が処方された時などは、薬剤師に確認されると良いでしょう。なお、グレープフルーツと同じ柑橘類でも、ミカン、オレンジなどは影響を与えないといわれています。不明なことがあれば、医師や薬剤師に相談しましょう。

引用:(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0017.html