2022年12月27日火曜日

「利益相反」とはどういうことですか?

 産学官連携活動を行う上で、大学の教職員等が特定の企業等から正当な利益を得る、または特定の企業等に対し必要な範囲で責務を負うことは当然に想定され、妥当なことといえます。しかしながら真理の探求を目的とした研究を行い高等教育を行う大学と、営利の追求を目的とした活動を行う企業とは、基本的な性格・役割を異にすることから、教職員等が企業等との関係で有する利益や責務と大学における責任とが衝突・相反する状況が生じ得ます。このような状況を「利益相反(Conflicts of Interest:COI)」と呼びます。医学系研究の独立性が損なわれたり、結果公表や診療ガイドライン策定に係る企業寄りのバイアスリスク(研究バイアス、出版バイアス、報告バイアス)が懸念されるなど社会問題化することも多々あります。

わが国では、2012年に発覚した「ディオバン研究不正事案」(特定の企業介入による不正疑惑およびCOI申告違反ならびに企業に有利となる恣意的なデータ操作が指摘されたことから複数の論文撤回に至った)を踏まえて、臨床研究に関する倫理指針の見直しが行われ、2018年4月から新たに臨床研究法が施行されました。企業・営利を目的とする法人・団体から当該研究者に提供される経済的な利益(金銭など)やその他の関連する利益(地位や利権など)に関するCOI情報を適切に開示することが義務づけられることになりました。

本学においては「阿倍野地区利益相反マネジメント委員会」の他、該当する各委員会で適正に利益相反マネジメントを実施することによって、教職員等が安心して教育・研究活動、産学官連携活動に取り組むことができるよう管理を行っています。

参考URL:(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/000799612.pdf 

(阿倍野地区利益相反マネジメント委員会)https://www.med.osaka-cu.ac.jp/ocucrb/coi/index.html

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