2020年1月23日木曜日

知ることから始めよう ~アルコール依存症~

世の中にはまったく飲酒しない人から、大量に飲酒する人までが連続的に分布しています(図1)。通常、飲酒量が増えるにしたがって、アルコール関連問題の数と重症度は増加していきます。アルコール依存症はその中で、最も重症な部分に位置しています。
アルコール依存症をひとことでいうと、「大切にしていた家族、仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させる状態」です。具体的には、飲酒のコントロールができない、離脱症状がみられる、健康問題等の原因が飲酒とわかっていながら断酒ができない、などの症状が認められます。 確定診断はICD-10診断ガイドラインに従います(表1)。表の中で、2の典型は連続飲酒です。4は酩酊効果を得るための量が以前より明らかに増えているか、または、同じ量では効果が明らかに下がっている場合です。6では、本人が有害性に気づいているにもかかわらず飲み続けていることを確認します。 なお、以前、慢性アルコール中毒、アルコール症、アルコール嗜癖などという用語が使われていたこともありますが、これらはアルコール依存症とほぼ同じものと考えてよいでしょう。


アルコール依存症の原因は多量飲酒です。節度ある適度な飲酒を心がけてください。また、アルコール依存症もほかの病状と同じく早期発見、早期治療が重要です。アルコール依存症は、自らが治療を求めない典型的な病気ですので、ご家族の方、周りの方が、アルコール依存症の症状を知っている必要があります。気づかれた場合は専門家に相談されるのもいいと思います。

詳しくはこちら知っておきたい薬の知識 平成29年10月(厚生労働省日本薬剤師会)

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