A 肥満は、閉経後の女性では乳がん発症リスクを確実に高めます。逆に、閉経前の女性ではリスクが低くなることがほぼ確実とされています。しかし、肥満は他のさまざまな生活習慣病の大きな原因の一つです。日常生活で太りすぎないように気をつけることはとても大切です。
肥満は、心臓病や脳卒中、糖尿病など生活習慣病の原因の一つとされており、あらゆる死亡のリスクを高めます。欧米では多くの女性が高度な肥満状態にあり、乳がん発症リスクと肥満との関連についても高い関心が寄せられています。
WCRF/AICR報告書では、肥満と乳がん発症リスクとの関連を、閉経の前後に分けて別々に検討しています。それによると、閉経後の女性では肥満が乳がん発症リスクを高めることは確実でした。一方、逆に、閉経前の女性ではリスクが低くなることがほぼ確実です。閉経後の女性で肥満が乳がん発症リスクを高めるのは、血液中の女性ホルモンの増加が原因ではないかと考えられています。閉経前の肥満がどのようなメカニズムで乳がん発症リスクを低下させるかについては、よくわかっていません。ただ、肥満はさまざまな生活習慣病にかかるリスクを確実に高めます。閉経前後に関係なく日常生活で太りすぎないように気をつけることはとても大切です。
Q 大豆食品やイソフラボンを摂取することは乳がんの予防につながりますか。
A 大豆食品を多く取ることで乳がん発症リスクが低くなるかどうかについてははっきりとした結論が出ていません。イソフラボンをサプリメントとして摂取した場合も、乳がん発症リスクが低くなるという証拠はなく、乳がんを予防するために摂取することはお勧めできません。
詳しく知りたい方➡日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドラインhttp://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/
乳がんは女性がかかるがんの中で最も多く、また年々増えてきており、14人に1人がかかるといわれています。近年、日本で乳がんの患者さんが増加しているのは、食生活の変化が大きな原因の一つではないかと考えられています。早期に発見されると9割以上が治るといわれています。自己検診を行うとともに、しこりとして触れないような早い段階でがんを見つけるために、検診を受けるのが良いでしょう。
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