2020年3月25日水曜日

「プラセボ」って?

プラセボ(placebo)は、ラテン語の「私は満足するでしょう」に由来します。1785年に初めてMotherby's New Medical Dictionaryにこの言葉が載りました。当時「ありふれた方法あるいは薬」という意味でした。この辞典の2回改訂された後の版では、プラセボは効果も害もないらしい「気休め薬」となりました。

現在では、「偽薬」と訳され、本物の薬のように見えますが、有効成分が入っていない偽物の薬のことです。本物の薬の治療効果を明らかにするため、比較対照試験で利用されることが多く、人間が飲んでも安全な乳糖やブドウ糖が使われます。比較する本物の薬(被験薬)と外見上まったく見分けがつかないように作られます。

プラセボを服用しても、「効き目のある薬を飲んだ」という心理的作用が働き、病気が良くなることを「プラセボ効果」と言います。臨床試験の時(二重盲検試験を行うとき)は、担当の医師も被験者も、どちらを飲んだかわからないようにして、効き目を比べるのですが、プラセボを飲んでも効き目のある(プラセボ効果のある)人もいれば、被験薬を飲んでも、効き目のない人もいます。プラセボを飲んで、副作用が出る場合もあります(ノセボ効果)。これらの結果をふまえ、被験薬の効き目を科学的に明らかにしていきます。

今後実施される臨床試験に「プラセボ」という言葉があれば、ある確率で服用していただくことになります。事前に十分に説明を受け、同意の上、ご参加ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿